HOME > 埼玉県予防接種センターだより(No 2022-05)

埼玉県予防接種センターだより (No 2022-05)

初夏の日差しに若葉がまぶしく照り映える好季節、皆様には益々ご活躍のこととお喜び申し上げます。
3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィークが終わり、人流の増加に伴い今後の感染者数の増加が懸念されています。
またトピックスとして、報道にて頻繁に取り上げられており世界各国での原因不明の小児急性肝炎についての最新情報など盛りだくさんの内容でお届けします。

◎予防接種情報◎

◆ 新型コロナワクチンについて

総接種回数は2.7億回を超え、3回目の接種も接種率も55%を超えました。自治体の方々、医療関係者、職域接種の関係者をはじめ、皆様のご尽力により接種が進んでいることに御礼申し上げます。引き続きご協力を賜りますようお願い申し上げます。

<役立つ情報をご案内します>
4回目接種用、ファイザー社及び武田/モデルナ社のワクチンの説明書を掲載しています。

○リーフレット「4回目接種のお知らせ(60歳以上の方や、基礎疾患を有する方へ)」を掲載しています。

接種を行う医療機関へのお知らせです。接種を実施する際に必要な情報をまとめています。

<新型コロナワクチンの新着情報>
組み換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン(武田・ノババックス)の薬事承認

国内で使える4種類目の新型コロナウイルスワクチン

・組み換えタンパクワクチン(ヌバキソビット®筋注)
mRNA(ファイザー、モデルナ)やウイルスベクター(アストラゼネカ)と異なり、ウイルスのSタンパクに類似したタンパク抗原自体を体内に注射。

・接種対象者は、18歳以上の者

・用法及び用量、接種回数
初回免疫:1回0.5mlを2回、通常、3週間の間隔をおいて、筋肉内に接種する。追加免疫:本剤2回目の接種から少なくとも6か月経過した後に3回目の接種を行うことができる。1回0.5mlを筋肉内に接種する。

・保存時における注意点
凍結を避け2~8℃で保存。有効期限は9か月。

風しんの追加的対策へのご協力のお願い

2025年3月31日までの3年間に限り、風しん抗体検査・予防接種を公費で受けられます。

風しんの予防接種は、現在、予防接種法に基づき公的に行われていますが、公的な接種を受ける機会がなかった昭和37年4月2日から昭和54年4月1日の間に生まれた男性は、抗体保有率が他の世代に比べて低く(約80%)なっているのが現状です。そのため、2025年3月31日までの期間に限り、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日の間に生まれた男性を風しんの定期接種※2の対象者として市区町村からクーポン券をお届けしています。

対象者の方は、クーポン券を利用して、まず抗体検査を受けていただき、抗体検査の結果、十分な量の抗体がない方は、この機会に定期接種を受けましょう!

※1 自治体により対応が異なるため、お住まいの市区町村にお問い合わせください。※2 予防接種法(昭和23年法律第68号)第5条第1項の規定に基づく定期の予防接種

◎感染症情報◎

◆ 各国での小児の原因不明の急性肝炎について

世界保健機関(WHO)の報告によると、5月6日現在、12か国で少なくとも169例(死亡1名)に小児における原因不明の急性肝炎が継続して報告されています。

1、疫学
〇計12カ国(欧州11カ国、米州1カ国)から169例報告されている
〇英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)からの報告(114例)が最多
〇年齢分布は、月齢1ヶ月から16歳まで

2、病原体
〇いずれの症例からも肝炎ウイルス(A型、B型、C型、D型、E型)は検出されていない。
〇少なくとも74例からアデノウイルスが検出、20例からSARS-CoV-2が検出されており、うち19例がアデノウイルスとの共感染であった。

3、 臨床症状
〇多くの症例で、腹痛、下痢、嘔吐等の消化器症状が先行した後に、急な肝逸脱酵素の上昇、ASTまたはALT500IU/L以上と黄疸を呈した。ほとんどの症例で発熱はなかった。

4、治療について
〇全症例の約10%にあたる17例が肝移植を要し、死亡例1例が報告されている。

欧州疾病予防管理センター(ECDC)による最新情報では、本年5月10日時点で、27カ国で約450例の報告があったとされている。5月3日の時点における英国からの報告では、年齢の中央値は3歳、性別は50%が女性で、検査が行われた126例中91例(72%)でアデノウイルス、97例中11例(11%)で新型コロナウイルスが検出されました。日本国内でも2021年10月1日から2022年5月12日までの期間に「可能性例」に該当する症例が12例報告がされており、今後も情報収集に努めてまいります。

◆ 新型コロナウイルス関連情報

① 保育園における新型コロナウイルス感染症に関する手引き 第 3 版(日本小児感染症学会)
② 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.2版」について

<主な改定点>
【1 病原体・疫学】
・オミクロン株のBA.2系統について更新
・懸念される変異株の表を更新
・COVID-19死亡者数の図を更新
【5 薬物療法】
・ソトロビマブ(ゼビュディ点滴静注液500mg)について2022年4月18日の添付文書改訂による、本剤のオミクロン株(B.1.1.529/BA.2系統)への有効性(効果減弱の可能性)について更新
・国内発生状況でオミクロン株のBA.2系統への置き換わりについて更新
・海外発生状況で世界の流行株(主にオミクロン株)と今後の公衆衛生措置などを更新
【6 院内感染対策】
・妊婦および新生児への対応について、帝王切開の分娩方法や感染妊婦の出生児接触の対応について更新

〜国内の感染症発生状況〜

◆ IDWR 2022年15週(第15号)(2022年4月20日)

手足口病の定点当たり報告数は当該週の過去5年間の平均を下回っているが、3週連続で増加した。

 <IDWR 感染症発生動向調査週報

◆ IASR Vo.43, No.4(No.506)(2022年4月)

特集は「RSウイルス感染症 2018年~2021年」です。関連情報として、「RSV-Aの分子疫学・分子進化に関する最新知見、RSウイルスの重症化メカニズム、RSウイルスワクチンの開発の現状(2022年)」などを取り上げています。

 <IASR(病原微生物検出情報 月報)2022年4月号

〜海外の感染症発生状況〜

厚生労働省検疫所(FORTH):海外の感染症情報(2022年4月18日~5月10日掲載)

2022年05月05日 新型コロナウイルス感染症の世界の状況報告(更新61)
2022年04月25日 複数国における小児の原因不明の急性重症肝炎
2022年04月18日 原因不明の急性肝炎-英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)

以上の情報は厚労省の感染症エクスプレスなどを参考にしています。

行政・法律の問い合わせ先
☆~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
埼玉県さいたま市浦和区高砂3-15-1
  埼玉県保健医療部疾病対策課
  感染症・新型インフルエンザ対策担当
  TEL: 048-830-3572 ,3557 FAX: 048-830-4809

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~・

文責・市町村予防接種担当者・医療機関向け医療保健相談
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
埼玉県さいたま市岩槻区馬込2100 埼玉県立小児医療センター内
 感染免疫・アレルギー科: 科長兼副部長  菅沼 栄介
 TEL:048‐601-2200  FAX:048‐601-2201

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



お問い合わせ