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埼玉県予防接種センターだより (No 2014-1)

◆予防接種情報

第3回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会を開催しました
(2013年12月16日)
平成25年12月25日、第6回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会が開催されました。調査結果報告及び7名の参考人(実際に患者を診察している医師、中毒学、免疫学、認知行動科学、産婦人科学の専門家)からの発表を基に、以下のような審議がなされました。

1.平成25年9月末までに報告されたHPVワクチン接種後に広範な疼痛又は運動障害を来した症例は130例であった(報告頻度:10万回接種あたり約1.5件)。
※この他に、医師の評価を経ていないが、保護者報告、被害者連絡会報告、文科省調査として、111例がある。
2.報告された症例のワクチンとの時間的関係性は、接種直後に発症しているものから、接種後1年以上を経て発症しているものまで、きわめて多様である。
3.急性疼痛の要因と、慢性化を来す要因は分けて考えることが適切である。
4. 海外においても同様の症例の報告はあるものの、発症時期・症状・経過等に統一性がなく、単一の疾患が起きているとは言えず、ワクチンの安全性への懸念とは捉えられていない。
5.慢性疼痛及び多様な運動障害については、脳の障害によるものではないと考えられる。
6. 一部の症例では、治療による改善が見られる。

以上の議論を踏まえた論点整理を基に、積極的な接種勧奨の再開の是非について、引き続き検討することとされました。

◆平成25年度第7回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会

厚生科学審議会の検討部会は1月20日、慢性的な痛みといった副反応症例について、接種に伴う痛みや緊張などが身体の不調として現われた「心身の反応」の慢性化したものとする評価をまとめた。ワクチンの安全性については、次回会合で最終的に議論することとし、昨年6月以来中止している接種勧奨を再開するかどうかの判断も持ち越された。この日の部会では、これまでの論点を整理した。副反応として報告されている症例が、▽接種から発症までの期間や症状の持続期間が一定していない▽リハビリや心のケアにより改善している症例もある-などの特徴から、接種後の局所の疼痛などが「心身の反応」を引き起こし、慢性の疼痛や運動障害として現われたと考えられると評価した。その場合、接種後1か月以上経過してからの発症は、接種との因果関係に乏しいなどとし、 「身体的アプローチと心理的アプローチの双方を用いた治療」が重要だとした。神経システムの異常による疾患や薬剤による中毒症状、免疫反応による可能性は、「これまでの知見からは考えにくい」とした。また、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの診断が付いている症例とワクチンとの因果関係は否定した。この日の議論を基に報告書案をまとめ、次回会合で最終的な議論を行う予定。
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【平成25年度第7回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会 資料】 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000035220.html

◆水痘ワクチン、成人用肺炎球菌ワクチンの26年度中の定期接種化について
1月16日開催された第4回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会にて、水痘ワクチンならびに成人用肺炎球菌ワクチンの定期接種化が正式に採択された。
水痘ワクチンは、生後12カ月から36カ月の間にある者を対象に、3カ月以上の間隔をおいて2回接種することとし、標準的な接種法としては、生後12月以降になるべく早期に初回接種の機会を確保した後、初回接種終了後6月から12月にいたるまでの間隔をおいて2回目の接種をすることが望ましい。仮に広くワクチンを接種する場合には、感受性者が取り残されることによる聖人の重症水痘の増加を防ぐため、キャッチアップとして3歳及び4歳の者にもワクチンの接種機会を提供することが望ましい。
平成26年度に限り、生後36~60か月児へのCatch Up接種が1回認められる。

◆日本における同一ワクチンの接種間隔についての検討
予防接種法に基づく予防接種では、疾病の予防およびワクチンの有効性・安全性の観点から、治験などで検証された内容を踏まえ、最も適切と考えられる接種間隔が規定されている。近年、新たなワクチンが導入されていることに伴い、予防接種のスケジュールが増々過密になり、必要なワクチンの接種機会を逃してしまう場合がある。同一ワクチンの接種間隔を通常よりも長い間隔をおいて接種しても、その有効性・安全性が損なわれるとは考えられていない。接種間隔を超えて予防接種を受けることによる個人的・社会的メリットは、接種間隔の緩和により勧奨効果が薄れてしまうことにより発生しうるデメリットよりも大きいと考えられることから、接種間隔の上限について標準的な期間を規定し、通常の接種間隔を超えてしまった場合でも定期接種として取り扱えるようにすることが望ましいとされた。(厚生労働省:第7回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会(平成25年11月18日開催)
資料4《http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000029880_1_1.pdf》より抜粋・要約)

 

◆ 感染症情報

【インフルエンザ】
◆日本小児感染症学会からの報告です。
今シーズンは、https://nesid3g.mhlw.go.jp/Byogentai/Pdf/data2j.pdf
に示すように、過去2シーズンほとんど検出されていなかったH1N1pdmがH3N2亜型に次いで多く検出されています。

◆IDWR(感染症発生動向調査 週報)2013年第51週(第51号)
(2014年1月10日発行)

感染性胃腸炎の定点当たりの報告数が6週連続して増加しています。その他、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎やインフルエンザの定点当たりの報告数が増加しています。http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl.html

【感染性胃腸炎】
◆感染性胃腸炎の流行に伴うノロウイルスの予防啓発について
(2013年11月20日)
感染性胃腸炎の患者発生は、例年、12月の中旬頃にピークとなる傾向となっており、本年も、10月14日の週以降、定点当たりの報告数が増加傾向にあります。
例年、ノロウイルスが原因と思われる感染性胃腸炎の集団発生例が見られることから、これからの時期は特に予防対策が重要になります。
ノロウイルスによる食中毒や感染症の予防対策等をまとめたノロウイルスに関するQ&Aを改訂しましたので、ご案内いたします。
手洗いの励行、糞便・吐物の適切な処理等、感染拡大の防止に医療機関の皆様もご協力をお願いいたします。

<平成25年11月20日付事務連絡>
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/gyousei/dl/131126_1.pdf 
<ノロウイルスに関するQ&A>(最終改訂:平成25年11月20日)
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html

◆IDWR(感染症発生動向調査 週報)2013年第47週(第47号)
(2013年12月6日発行)
RSウイルス感染症の報告数が2週連続して増加しています。
その他、感染性胃腸炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たりの報告数が増加しています。http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl.html

◆先天性風疹症候群(CRS)診療マニュアル)
日本周産期・新生児医学会は、CRS診療マニュアルを作成し、HPに掲載しています。 【先天性風疹症候群(CRS)診療マニュアル】
http://www.jspnm.com/Teigen/docs/CRSver7.pdf#zoom=100

以上の情報は厚労省の感染症エクスプレスなどを参考にしています。




行政・法律の問い合わせ先
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埼玉県さいたま市浦和区高砂3-15-1
 埼玉県保健医療部疾病対策課
 感染症・新型インフルエンザ対策担当
 TEL: 048-830-3572 ,3557 FAX: 048-830-4809
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文責・市町村予防接種担当者・医療機関向け医療保健相談
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埼玉県さいたま市岩槻区馬込2100 埼玉県立小児医療センター内
 埼玉県予防接種センター長  川野 豊(予防接種医療相談)
 TEL:048-758-1811  FAX:048-758-2626
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