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埼玉県予防接種センターだより (No 2018-9)

◎ 予防接種情報 ◎

◆風疹の急増が継続して続いています

風疹の報告数(累積・週別・都道府県別・etc)

都圏における風疹急増に関する緊急情報: 2018年8月15日現在

毎週火曜日に、新しい発生動向が下記のURLに公表されますので、是非新しい情報を御確認ください。
首都圏における風疹急増に関する緊急情報(2018年)

千葉県、東京都を中心に風疹の患者数が急増していますが、夏休みで人の移動が多いため、潜伏期(約2~3週間)を経て、これら以外の地域でも患者発生が見られる可能性があります。風疹の罹患歴がなく、予防接種歴がないあるいは不明の方は注意が必要です。風疹に罹患していたと思っていた人の半分が抗体陰性であったという研究報告もあります。風疹は症状のみでの診断は困難で、全例の検査診断が求められています。

風疹と臨床診断した時点で、直ちに管轄の保健所にお届けくださいますようお願い申し上げます。風疹特異的IgM抗体価は発疹出現後3日以内は陰性のことが多いので注意が必要です。2018年1月から、全例について、地方衛生研究所でリアルタイムPCR法、RT-PCR法等の方法による風疹ウイルス遺伝子の検査が実施されています。
風しん発生届 (届出票)

今発症しているのは、9割が成人です。男性は30-40代に多く、女性は20代が多く発症しています。予防接種歴は不明あるいは無しの人が大半を占めます。特に妊娠20週までの妊婦は風疹ウイルス感染に注意が必要です。妊婦はMRワクチンの接種を受けることができません。妊婦の周りにいる人が予防接種を受けて風疹に罹らないようにすることも予防法の一つです。また、妊娠出産年齢の女性は、あらかじめ約1か月間避妊した後に接種し、ワクチン接種後約2か月間は妊娠しないように注意する必要があります。風疹の流行はこれまでの経験から2年~3年連続して流行することが多く、初年度より、2年目、3年目の方が流行規模が大きくなります。来年、再来年に風疹の大規模流行が起こらないようにするためには、今年の対応が極めて重要と考えます。

先天性風疹症候群は、2014年第40週の報告を最後に「0」が続いています。
このまま「0」を続けるためにも、今の対応はとても大切です。
先天性風しん症候群(CRS)の報告(2014年10月8日現在)

◆「プレベナー13®水性懸濁注」 シリンジラベル印字およびルアーロックアダプターに関するお知らせ️️️️

「プレベナー13®水性懸濁注」の一部流通製品つきまして、シリンジラベル印字(製造番号、最終有効年月日)が薄く読み取り難い、および、ルアーロックアダプター部分のキャップがきつく締まっていて取り外し難い、と指摘があり、現在調査中とのことです。 ファイザー社のHPをご参照ください。
https://pfizerpro.jp/documents/osip/OSIP1808005.pdf

◎ 感染症情報 ◎ 〜 国内の感染症発生状況 〜

◆手足口病、ヘルパンギーナに注意しましょう️️️️️

手足口病やヘルパンギーナは、夏に流行するウイルス性感染症で、特に乳幼児を中心にみられます。ワクチンはなく、ウイルス感染症であるため抗菌薬は効きません。感染経路は接触感染と飛沫感染であるため、手洗いを徹底しましょう。

◆手足口病

手足口病は、主にコクサッキーA型ウイルスやエンテロウイルス71型などによる感染症であり、発熱や手足や口などに小さな水疱ができる感染症です。主に乳幼児にみられ、多くは自宅療養で回復しますが、口腔内の痛みのために水分摂取ができなり、入院が必要になることもあります。まれに髄膜炎、脳炎や心筋炎などの合併症を引き起こすこともあります。

<感染症法に基づく医師の届出について ~手足口病~>

<国立感染症研究所 手足口病とは>

◆ヘルパンギーナ️️️️️

ヘルパンギーナは主にコクサッキーA型ウイルスによる感染症であり、高熱と口腔粘膜に水疱性の発疹がみられる急性のウイルス性咽頭炎です。基本的に自然軽快しますが、乳幼児では、高熱と口腔内の痛みのために水分摂取ができなくなり、入院が必要になることもあります。まれに髄膜炎や心筋炎などの合併症を引き起こすこともあります。

<感染症法に基づく医師の届出について ~ヘルパンギーナ~>

<国立感染症研究所 ヘルパンギーナとは> 

◆RSウイルス感染症が急増しています️️️️️

RSウイルス感染症 RSV Infection

上記グラフに示すように、2018年は昨年同様、7月上旬から報告数が急増しています。今年から定点あたり報告数でグラフ化されていますが、過去10年間の同時期の報告数と比較すると2017年に次いで多い状況です。

詳細は、下記の感染症週報「注目すべき感染症」を御確認ください。
IDWR 2018年第32号<注目すべき感染症> RSウイルス感染症

◎ 感染症情報 ◎ 〜 海外の感染症発生状況 〜

◆韓国における中東呼吸器症候群(MERS)患者の発生について(情報提供)

今般、平成30年9月8日(現地時間)、韓国疾病予防管理センターより、中東から韓国内への帰国者において、MERS患者1名が確認されたと発表されました。なお、韓国当局は当該患者と濃厚に接触した者について、14日間の自宅隔離を行っていますが、この中に日本人は含まれません。

MERS発生地域から帰国し、国内に入国後、疑わしい症状がある場合には、早期に医療機関を受診し、適切な診断及び治療を受けることが重要です。

つきましては、引き続き貴管内におけるMERSに罹患した疑いのある患者が発生した場合の情報提供及び積極的疫学調査の実施体制について確認するとともに、感染症指定医療機関に対しても診療体制の再確認等の依頼を行うよう、よろしくお願いします。

以上の情報は厚労省の感染症エクスプレスなどを参考にしています。
行政・法律の問い合わせ先
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埼玉県さいたま市浦和区高砂3-15-1
 埼玉県保健医療部疾病対策課
 感染症・新型インフルエンザ対策担当
 TEL: 048-830-3572 ,3557 FAX: 048-830-4809
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文責・市町村予防接種担当者・医療機関向け医療保健相談
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埼玉県さいたま市中央区新都心1番地2 埼玉県立小児医療センター内
 埼玉県予防接種センター長  川野 豊(予防接種医療相談)
 TEL:048‐601-2615  FAX:048‐601-2253
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