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埼玉県予防接種センターだより (No 2020-07)

◎予防接種情報◎

◆ 9価子宮頸がん予防ワクチン

子宮頸がんを予防するHPVワクチンについて、新たに9価ワクチン「シルガード9」(一般名:組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン)が、日本でも承認されることになりました。

シルガード9水性懸濁筋注シリンジ(組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン(酵母由来)、MSD):「ヒトパピローマウイルス6、11、16、18、31、33、45、52及び58型の感染に起因する▽子宮頸がん(扁平上皮細胞がん及び腺がん)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1、2及び3並びに上皮内腺がん(AIS))▽外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2及び3並びに膣上皮内腫瘍(VaIN)1、2及び3▽尖圭コンジローマ――の疾患の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品です。

シルガード9は、従来の沈降4価ヒトパピローマウイルス(HPV)様粒子ワクチンであるガーダシルに含まれる6、11、16、18の4つのHPV型に、新たに31、33、45、52、58の5つのHPV型が加わっている。

アジュバントとしてアルミニウムヒドロキシホスフェイト硫酸塩を含みます。

9歳以上の女性に、1回0.5mLを合計3回、筋肉内に注射して用いる。通常、2回目は初回接種の2か月後、3回目は6か月後に同様の用法で接種します。

HPV16、18、31、33、45、52、58型は子宮頸がん、外陰がん、膣がん、肛門がんなどの原因になることが知られています。これら7つのHPV型で子宮頸がんの原因の約90%を占めます。ガーダシルでは約65%のカバーにとどまっていました。

積極的な勧奨が中止され、まもなく7年が経過しますが、今回の9価ワクチンが積極的な勧奨再開になるといいと思います。

◎感染症情報◎

◯国内の感染症発生状況

◆ 令和2年7月豪雨について

令和2年7月豪雨により、被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。

避難所で注意いただきたい疾患は、急性胃腸炎や急性呼吸器感染症などがあります。

また、本年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大が問題となっています。避難所において感染症の発生及び感染拡大を防止するため、密閉、密集、密接の3つの密の回避、咳エチケットやマスクの着用、手指衛生の徹底をお願いします。

また、猛暑などにより体調管理が難しい時期でもありますので、体調の変化にご留意ください。

家屋等に浸水があった場合、水が引いた後は、まずは土砂撤去と十分な清掃、そして乾燥を行うことが重要です。湿った環境中では、細菌やカビが繁殖しやすくなります。

感染症の予防について

◆ 新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)のご利用をお願いいたします

厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に資するよう、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策テックチーム事務局と連携し、開発してきました新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA:COVID-19 Contact Confirming Application)を、6月19日から配信しております。

6月30日にiOS版、7月1日にAndroid版の修正版を配布しております。

7月3日にQ&Aを更新しております。

COCOAは、利用者ご本人の同意を前提に、スマートフォンの近接通信機能(ブルートゥース)を利用して、お互いに分からないようプライバシーを確保して、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性について、通知を受けることができるスマートフォンアプリです。

ご利用のスマートフォンによりApp Store またはGoogle Playからインストールをいただくことができます。なお、公開日から1カ月間は試行版(プレビュー版)となります。試行版は、ご利用いただく状況も参考にしつつ、デザイン・機能などの修正を予定しておりますので、最新アプリにアップデートいただきますようお願いいたします。

<動作可能なOS(6月19日時点)>
■iPhone端末の場合 ・iOS 13.5以上
■Android端末の場合・Android 6.0以上

(動作確認済の機種は下記のHPで順次掲載します)

COCOAの概要やQ&A等については、下記ホームページに掲載しておりますのでご覧ください。

厚生労働省新型コロナウイルス接触確認アプリ

 

◎感染症情報◎

◯海外の感染症発生状況

◆ コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が発生しています

厚生労働省では、検疫や国内での対応強化のため注意喚起を行っています。エボラ出血熱の流行地域であるコンゴ民主共和国(特に赤道州)から帰国された方は、検疫官に申告するようにしてください。

2018年8月1日(現地時間)、世界保健機関(WHO)及びコンゴ民主共和国(旧ザイール)保健省は、同国北東部の北キブ州において、エボラ出血熱が発生したことを発表しました。2020年6月26日までに、北キブ州・イツリ州・南キブ州の3州において、2,287名の死亡例を含む、3,470例の患者(確定3,317例、疑い153例)が報告されています。

2019年7月17日、今回のエボラ出血熱の流行に関する緊急委員会がWHOで開催され、「国際的に懸念される公衆衛生上の危機(PHEIC)」に該当するとの見解が示されていましたが、2020年6月25日に今回の流行の終息宣言が出され、6月26日の緊急委員会で、PHEICに該当しないとの見解が示されました。

2020年6月1日(現地時間)、同国北西部の赤道州において、新たにエボラ出血熱が発生したことを発表しました。2020年7月4日までに、赤道州において、17名の死亡例を含む、41例の患者(確定38例、疑い3例)が報告されています。

2020年6月9日、WHOは、今回の患者発生と北キブ州等で継続中の患者発生との間に関連性が認められないことを発表しました。

以上の情報は厚労省の感染症エクスプレスなどを参考にしています。

行政・法律の問い合わせ先
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埼玉県さいたま市浦和区高砂3-15-1
  埼玉県保健医療部疾病対策課
  感染症・新型インフルエンザ対策担当
TEL: 048-830-3572 ,3557 FAX: 048-830-4809

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文責・市町村予防接種担当者・医療機関向け医療保健相談
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埼玉県さいたま市岩槻区馬込2100 埼玉県立小児医療センター内
 埼玉県予防接種センター長  川野 豊(予防接種医療相談)
 TEL:048‐601-2200  FAX:048‐601-2201

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