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埼玉県予防接種センターだより (No 2014-3)

◎予防接種情報◎

◆子宮頸がん予防ワクチンに関する意見交換会を開催しました (2014/2/26)

子宮頸がん予防ワクチンに関する意見交換会を2月26日に開催しました。
子宮頸がん予防ワクチンの安全性について、国内外の研究者による意見交換が行われました。概要は以下の通りです。

○米国のLee氏から、HPVワクチンには製造で用いられたDNA断片が含まれており、このDNA断片が様々な症状を引き起こしているという仮説についての発表がありました。この仮説に対し、ニュージーランドのHarris氏及びその他の有識者から、以下のような意見が出され、科学的根拠に乏しいという指摘がなされました。

・科学的検証をする上で必須の対照群がなく、因果関係を述べることは適切でない。
・HPVワクチンの中に含まれるDNA断片はごく微量で、全身に影響を及ぼすとは
 考えられない。
・複数の仮説を重ねて導き出しているに過ぎない。

○フランスのAuthier氏から、アルミニウムを含むアジュバントがマクロファージ筋膜炎(MMF)という局所の病変を引き起こしており、このMMFが全身の副反応を引き起こしているという仮説についての発表がありました。この仮説に対し、フランスのBeytout氏及びその他の有識者から、以下のような意見が出され、科学的根拠に乏しいという指摘がなされました。

・アルミニウムが含まれるワクチンは世界で80年以上使用されており、安全性が
 確認されている。
・MMFを主張するグループは、主張の内容が頻繁に変わり、信憑性に乏しい。
・局所のMMFという病変が、全身の症状を引き起こす根拠がない。

○堺氏から、HPVワクチン接種後の有害事象の発生状況について発表がありました。この発表に対し、有識者等より、データの解釈に誤りがあるとの指摘がありました。※資料: http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000038484.html

 

◎感染症情報◎

【麻しん】

◆IDWR 2014年第6週(第6号)麻しん、A型肝炎などについて(2014/2/21)

麻しんが12例報告されており、第1~6週までの累計報告数は83例となっています。その他、A型肝炎が12例報告されています。
また、「世界におけるインフルエンザの流行状況について」等が海外感染症情報に掲載されています。

http://www.nih.go.jp/niid/ja/idwr-dl.html

【重症熱性血小板減少症候群】

◆重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの国内分布調査結果
(第二報)について(2014/2/25)

昨年5月より厚生労働科学研究において実施している、SFTSウイルスの国内分布に関する研究班調査結果の第二報が、国立感染症研究所HPに掲載されました。この中で、既に患者の発生が確認されている西日本だけでなく、広く全国にSFTS ウイルスが分布することが明らかとなりました。
これから春に向けて、SFTSウイルスを媒介するマダニの活動が活発になってきます。野外で活動する際、マダニに咬まれないよう注意することが大事です。
各医療機関におかれましては、引き続き、以下URLの届出基準の臨床症状からSFTSが疑われる患者を診察した場合は、最寄りの保健所へ連絡いただくよう、ご協力のほどお願いします。

〈病原微生物検出情報(IASR)速報〉重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
ウイルスの国内分布調査結果(第二報)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/2014-02-19-09-27-24/2242-…

国立感染症研究所ホームページ〈重症熱性血小板減少症候群(SFTS)〉
http://www.nih.go.jp/niid/ja/2014-02-19-09-27-24/2238-…

厚生労働省ホームページ〈重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について〉
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19…

〈届出基準〉
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/…

〈発生届〉
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/pdf/


◆IASR(病原微生物検出情報 月報)2014年2月号:SFTSなど

特集は「日本における重症熱性血小板減少症候群」です。SFTSVの自然界における存在様式とヒトへの感染経路、日本におけるSFTSの発見と後方視的臨床的・疫学的調査研究、日本における検査体制等、その他特集関連情報などがまとめられています。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr.html

◆芸能人の方の入院でご存じの先生もいらっしゃるかと思いますが、A型肝炎が
急増しています

詳しくは感染症週報IDWRに「注目すべき感染症」として下記URLに詳細は掲載されていますので、
http://www.nih.go.jp/niid/ja/4436-idwrc-1407.html
是非ご確認ください。

◆先天性風しん症候群の報告数

2014年第7週に大阪府からお一人報告があり、2012年10月から2014年第7週(2014年2月19日現在)の報告数が42人になりました。
詳細は下記URLに掲載していますが、予防接種歴1回ありの方が42人中7人でした。2回の予防接種が重要と考えています。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/4437-rubella-crs-20140219.html

◆麻疹患者報告数の増加

前回の感染症情報でもお知らせしましたように、麻疹の患者数が急増しています。詳細は下記URLに掲載していますが、
http://www0.nih.go.jp/niid/idsc/idwr/diseases//meas14-07.pdf

特に、フィリピン渡航歴がある人が目立っており、遺伝子型はB3が多く報告されています。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr-measles.html

予防接種歴無しが64%と多いことが今年の特徴です。また、昨年は成人が7割を占めていましたが、今年は小児が60%以上となっており、定期接種対象疾患年齢(あるいはそれを過ぎた年齢)の小児がワクチン未接種であることが注目されます。


◎海外の感染症発生状況◎

【麻しん】

◆中国における鳥インフルエンザA(H7N9)の発生状況について

昨年3月末より、中国から感染者が報告されている鳥インフルエンザA(H7N9)については、夏季は、患者の報告が途絶えていましたが、昨年10月以降、再び患者数が増加しています。また、中国本土で感染したとみられる事例が台湾・香港に加え、マレーシアでも1例確認されました。

<鳥インフルエンザA(H7N9)ついて(厚生労働省)>
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/…

<鳥インフルエンザA(H7N9)への対応について(内閣官房)(2/17更新)>
http://www.cas.go.jp/jp/influenza/tori_inf/index.html

<疾病発生情報(FORTH(厚生労働省検疫所))>
http://www.forth.go.jp/news/2013/04041512.html

<中国における鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスによる感染事例に関する
リスクアセスメントと対応(国立感染症研究所)(1月29日更新)>

http://www.nih.go.jp/niid/ja/flu-m/flutoppage/2276-flu2013h7n9/…


以上の情報は厚労省の感染症エクスプレスなどを参考にしています。




行政・法律の問い合わせ先
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 感染症・新型インフルエンザ対策担当
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文責・市町村予防接種担当者・医療機関向け医療保健相談
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埼玉県さいたま市岩槻区馬込2100 埼玉県立小児医療センター内
 埼玉県予防接種センター長  川野 豊(予防接種医療相談)
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