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ヒブ感染症 (細菌性髄膜炎など)

ワクチン博士

ヒブ(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)の感染でおこります

ヒブ感染症は、ヒブ(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)による感染症で、子供の重い感染症です。

この菌が喉から入って、脳を包む髄膜(ずいまく)、喉の奥の喉頭蓋(こうとうがい)、肺などに炎症を起こします。

日本では、かかる子どもは少ないと言われてきましたが、よく調べると、年間約600人が重いヒブ感染症、特に細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)になっていることがわかりました。

日本では毎年約千人が細菌性髄膜炎になっていますが、60%がこの菌によるものです。これは、日本の予防接種制度が全体に遅れていて、ヒブワクチンが使えないためです
(※2008年12月より発売)。

病気の始まりは風邪と区別がつきにくく、ベテランの小児科医師でも、突発性発疹と間違えてしまうことが多いようです。

このため診断が遅くなりがちで、その後に「けいれん」や「意識障害」が出てきます。そのうえ、抗菌薬が効かない耐性菌も多く、治療は困難です。

亡くなる子どもも5~10%くらいいて、30%くらいの子どもが脳に後遺症が残ります。

髄膜炎による後遺症として、発達・知能・運動障害などの他、難聴(聴力障害)が起こることがあります。

のどの奥に起こる喉頭蓋炎でも大変重症になり、死亡することも少なくありません。


この病気を予防するワクチン
ワクチン博士

ヒブワクチン(不活化・任意)

生後3か月から、3~4週間間隔で3回接種し、3回目の接種日から1年~1年半後に4回目の追加接種を受けるのが普通です。

しかし生後2か月から単独接種で開始して、3か月からは三種混合(DPT)ワクチンとの同時接種で生後4~5か月までに接種し終わる方が、 早く抗体(免疫)ができるので、より望ましいものです。

ヒブワクチンは、1回目の接種年齢によって接種間隔・回数が異なります。詳しくはかかりつけの先生にご相談ください。

ヒブ感染症は病気が重いだけでなく、早期診断が難しいので、受けられる年齢になったらすぐに接種したほうが良いです。

細菌性髄膜炎は欧米ではかかる子どもが多かったのですが、1980年代から小さな子どもにも有効なヒブワクチンが開発され、 それを全員に使用した結果、この病気が約1%に減少しました。

このワクチンも小児の肺炎球菌ワクチンと一緒にWHO(世界保健機関)が最重要ワクチンの一つとして、すべての国で、 国の定期接種にすべきだと勧告しているものです。

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